脳卒中について
「脳卒中」とは、脳の血管が破けたり、詰まったりして、その先の細胞に栄養が届かなくなり、脳の働きに障害が起きる疾患です。「脳血管障害」ともいわれます。 かつて日本人の死因1位でしたが 医療の進歩により最近では4位まで順位を下げています。ただし死亡する方が減っただけで 高齢化の進む現在 患者数は依然として多いのが現状です。 脳卒中は原因により、「脳の血管が詰まるタイプ(脳梗塞、一過性脳虚血発作)」と「脳の血管が破れるタイプ(脳出血、くも膜下出血)」の大きく2つに分けられます。脳卒中は、たばこ、大量飲酒や運動不足などの生活習慣の乱れから あるいは、高血圧、脂質異常症、糖尿病などのいわゆる生活習慣病が背景にある方にも発症する危険性が高いと言われています。
脳卒中の5大危険因子
- 高血圧
血圧が140/90mmHg以上のことです。この数値以下でも、数値が高めの人は注意が必要です。脳の血管の大きな負担となり、動脈がもろくなり、詰まったり、破れたりしやすくなります。塩分を多く摂るほど高くなりますので、食事の塩分を極力少なくしてください。 - 糖尿病
近年の食生活の欧米化により患者さんが増えています。摂取カロリーを低く抑える必要があります。食事は1日3回バランス良く食べ、間食や油料理を減らし体重のコントロールを行ってください。 - 脂質異常症
特に悪玉のLDLコレステロールが高い人は、脂肪の摂取を制限する努力が必要です。油料理を減らし、豆類、芋類、海草、キノコ、根菜類などコレステロールを下げる食べ物を多く摂取しましょう。 - 不整脈(心房細動)
心臓の中にできた血栓が、心臓から脳に飛ぶことで脳の動脈を閉塞させます。ワルファリンなどの抗凝固薬を用いることで血栓が作られなくなり、脳梗塞を予防することが可能です。 - 喫煙
ニコチンが血圧を上昇させたり、動脈硬化を促進すると言われています。百害あって一利なしです。
脳卒中の予防
当院では、脳卒中を防ぐため、病気や症状を抑えるための指導や薬の処方をしたり、生活習慣病についての指導、治療を行っています。MRIを行うといわゆる隠れ脳梗塞が見つかる場合も多く 生活習慣病、喫煙など心配な病歴がある場合 一度脳のMRIや頸動脈エコーなどでの評価をおすすめします。